男は、力なく白眼を剥いてソファにもたれかかりました。

純の手には、スタンガンが握られています。


ってか何処から取り出したんだよ。

「護身用に持ち歩いてんねん」

オイ。


「うわぁッ、兄貴ぃ!!!」

運転席の男はかなり怯えていて、今にも泣きそうです。


そんな彼に、純はバタフライナイフを突き付けました。

低く冷たい声で、彼女が言います。


「オイ、聞こえんかったんか?××会社に早よ行けゆーてんねん!!早よせぇ、コッチはチーズケーキかかっとんねん!!!」

「はいぃッ!!!」

運転席の男は、間抜けな声で返事をしました。

ていうか、そのナイフも護身用?

「決まってるやん」

純が顔をしかめて言いました。

ぽっちゃり系な男が恐る恐る尋ねます。

「君……さっきから誰と喋ってるの……?」

「ん、そーいえばそうやな。誰とやろ」


オイ。