「何故、お前何か産まれてきた！」

「この悪魔！」


「や、やめろ…ダーク…」

「さあ、杖をおろして…」

「もう俺は、あんたらの知ってる『ダーク･フォイエルバッハ』じゃない。
今は………」


「ハァハァ……クソまたか。」


このお話の主人公である『ダーク･フォイエルバッハ』は、昔の記憶に囚われていた。

「そういや、今日から新学年だな。」

ダークは、制服に着替えた。

その時に左腕にある黒い龍の刺青に目をやりしばらく動かなかった。

腕に包帯を巻き教科書と杖を持ち『アストルス魔法学校』に向かっている。

ダークは、今年から魔法学校最高学年の六年生になる。



「おはようございますフィル先輩！」

「先輩、おはようございます。」

「ああ。」


『フィル』と言うのは、ダークの愛称で学園での評判は、成績優秀で容姿端麗のまさに完璧な評判なのだ。

「フィル、おはよ！」

「サラか。朝からテンション高いな。」

ダークに声をかけてきたのは、去年まで同じクラスの『サラ･カツラギ』だった。

「そりゃそうでしょ。今日から新学年だよ！誰と一緒になるか気になるじゃんか。」

「まあ、気にな『呼び出しをいたします。新六年生のダーク･フォイエルバッハ君、直ぐに学園長室に来て下さい。』……呼び出しかよ。」

「いってらっしゃい」

ダークは、めんどくさそうに学園長室に向かった。