パチパチと二酸化炭素の弾ける音が聴こえた。

私は天井を見つめたまま。

「もしかして何か怒ってる?」
天井と私の間に割り込んで、准が問う。
そのまま顔が近づいてきて、私の唇に准のが触れた。
口内を侵すのは甘い飲み物の味で、少しだけ炭酸が混じる。
私はふと気が付いて目を閉じた。

キスはいつも准が私の下唇を薄く舐めて終わる。
「普通の幼なじみはこんなことしないよね」
思いついて、言ってみる。
「じゃぁ止める?」
「准の好きにして」
「…素直じゃないな」
准が笑う。