「「ありがとうございましたー!!」」 試合は接戦の末、悠馬君のチームは負けてしまった。 泥だらけになった選手達が、観客席の前で並んで頭を下げた。 選手達はみんな、泣いていた。 中には泣き崩れる人もいた。 隣で菜穂子は目にいっぱい涙を溜めて、涙を流さないように、必死に唇を噛んでいた。 彩夏はそっと、菜穂子背中に手をまわした。