狼谷の のん

のんは、狼だ。
獲物を決めた以上、躊躇はない。
ただ、獲物に向って、牙をむいた。

「母さん、、、だめだよ。。。」


猪瀬の父の腕に噛み付き 肉を喰らった瞬間、
少年の振り上げた刃が、のんの胸に
突き刺さった。

のんは、人間の姿に かわっていた。

「母さん、、、、、、」

猪瀬の目の前には、自分を育てた父と 母の瀕死の姿があった。