狼谷の のん

狼の仮屋である豚舎の襲撃をまるで、
知らない猪瀬と その父は静かに
眠りについていた。
いや、少年のほうは 寝たふりをしていただけ。
いつも、日が昇るまでは 床に入りながらの読書を
日課としていた。


「母さんかい?どうしたんだよ。」
「豚舎が燃えたのは そいつのせいだよ。
 お前は おどき!」

「だめだよ、母さん、、、
 僕には 大事な家族なんだ。。」

「そこをどきなさい。その男は、お前を利用しただけの悪人だよ。 
 私が お前の親になるから。
 そこをどきなさい!」