幸せのカタチ~赤い宝物~



「ねぇ、愛果週末どうする?」


「え?」



カラオケを出る前に、友來とトイレに寄り鏡の前に並んで髪を直していた。

突然言われて私の頭の上には?マークがポンッポンッポンッと3つ程…。



「何とぼけてんのよ?
総体週末でしょ?」


「え?テニスは来週じゃないの?」



しかも、確かテニスは平日だから見に行けないって言ってなかったっけ?



「…あ。」



……サッカーだ



友來を見るとニッコリ笑ってる。



「でも…行けないよ…。」


「大丈夫だって。
最前列で見ようとは言わないけど?
こっそり…ね?
それに最後の大会だよ?
先輩は3年なんだから…。」



最後の大会…

見たいよ。


でも…

私なんかが見る資格ないよ…


『愛果が見ててくれてるだけで、200%頑張れるんだよ。』


彰がそう言ってくれた一年前とは違う。



懐かしい…

すごい前の事みたい。
まだ始まって無かった私達。

あの時は見に行かなくて、ちょっと後悔した。



「考えとく…。」


「…うん。」



友來は静かに頷いて、待ってるし行こっかって私の手を引いてトイレを出た。