幸せのカタチ~赤い宝物~



「じゃあ聞くけど、昨日告られた?
…杉原菜々って人に?」



私が思い切って聞くと、彰の足が止った。


無言でびっくりした様な顔して立ち止まってる。



何でそんな動揺してんの?
やっぱり何かあるんじゃん?
って思うじゃん。
そんな顔されたら…。



私は彰の前に立ち、彰の目を見る。



―ゴクッ



私は心の中の疑問を吐き出す為に、小さく息を吸って飲み込んだ。



「…キス…したの…?」



一瞬泳いだ彰の目。



…やっぱり、したんじゃん。


したかもとは思ってたけど、何とも言えない脱力感を感じる。

私はガックリして俯むく。



「昨日、告られたよ。」



彰の言葉で顔を上げると、目の前にはさっきまでと違う

真直ぐに私を見つめる瞳。



「キス…は、されそうになったけどしてないよ。
止めたから。
告白もちゃんと断ったよ。」



うそ…さっき目そらしたじゃん。

それにちゃんと断ったんなら、何で杉原は私の所にあんな事言いに来たの?