「なんで真北とか、こいつ…売れてんだろ…」
私はずっと思っていたことを口に出した。
「こいつ?」
杏里は首を傾げた。
「私の隣の席の八木哲也っ。」
私はビシッと指差した。
八木哲也はパッと私を見た。
「どうしたの?芳川さん。」
奴はにこりと笑った。
「なんで?かっこいいじゃない、2人とも。」
杏里はまたまた首を傾げた。
「かもしんないけど…こいつ昨日…「芳川さん。昨日、なにがあったのー?」
私が昨日のコトを話そうとすると、八木哲也がそれを遮った。
めっちゃ引きつった笑顔をしている。
こわー…
「莉子?」
「あ、いや…なんでもない…。」
私は冷や汗をかきながらしぶしぶそういった。

