「そういえばお前、急いでんじゃねぇの?」

八木哲也は不思議そうにいった。


「ハッ…あっそうだったΣ!」

私はガチャッと鍵を閉めた。


「ふぅ…やっと閉まった…」


チラッと隣を見ると
八木哲也はいない。



「えっ?……あ」


もう私より遥か遠くを歩いていた。


そして奴は振り返って
確かにニヤリと笑い、私にこういった。


「遅刻は勘弁☆」



むーーーーーーかーーーーーーーつーーーーーーくーーーーーー





「別にあんたと一緒にいきたいなんて思ってないしぃぃぃぃい!!!!」


私の声はむなしく誰もいない廊下に響くだけだった。