「とにかく、簡単にあなたを許すことは、できない。」 「うん。」 私は話をきりだした。 「でも、八木だけ悪いわけじゃない。それは分かってる。」 「うん。」 八木哲也は俯いた。 「許せるように、努力する。でも、理由を聞いておきたい。なんで、いじめたの?」 私は無自覚に泣きそうな顔で八木哲也を見上げた。 あの頃より、断然背が高くなっていた。 「ソレ、いわなきゃだめ?」 八木哲也は子犬のような顔をして私を見た。