「まっ…真北…くんも芸能人だったんだ…ね」 私はジリジリ迫ってくる真北から後ろ歩きで逃げる。 「うん。モデルやってるよ。八木哲也より、上。」 またニヤっと笑った。 「それが、なによっ」 「いやぁ。別に。」 トンっ… 「あ……」 壁にぶつかった。もう逃げ場はない。 「芳川さんさぁ…僕のこと、好きだったんだよねぇ。」 奴はニヤニヤ笑いながらいって、私の両手首を壁に押さえつけた。 「いやっ、やめてっ!!」 廊下に私の声が響く。