いくあてもなく、私は屋上にいった。
出目金…できるならもう一生、その言葉をききたくなかった。
小学校のころのあだ名。
私は人よりも少し、目がおおきかった。それを、いいなという人はたくさんいるけど、私にはものすごくコンプレックスだった。
そのあだ名を知っているのは、あいつしかいない。
八木哲也。
さっき、一番最初に「出目金」という言葉を発した人。
小学校も同じだった人、このクラスではあいつしかいない。
小学校でもやたらと出目金、出目金といって絡んできた。私は八木が大嫌いだった。
でも中学では言われなくなったから、安心してた。
なのに、いきなり…今日
なんで…?

