あれから、1年。
ﾊﾞｽｹで声だしすることも、恋ﾊﾞﾅをすることも出来ず、中2になってしまった。
あの日は、体育教官室からこっそり抜け出せたが、
ｱﾀｼの心の、高く聳え立つ大きな壁からは、抜け出せないまま。
けど、今は自分なりに頑張ってる。
ﾊﾞｽｹは、同級生が皆優しくて。
構ってくれるこ仔ばかりだったから、すっごく助かった。
おまけ、今の中3の先輩はｱﾀｼを嫌ってなかったから、やりやすかったな。
おかげで、中1の新人大会は、地区大会出場まで上り詰めたんだよ。
中富…じゃなくて、慶とも順調。
あれから、『ｲｼﾞﾒはなくなった?』とか『大丈夫?』とかって、気ｨ使ってくれてるから。
すごく感謝してる。
これで…声が出たらなぁ…。
