一番星

「長谷川!
 走ってどうしたんだ?
 井垣は?」

「多分大丈夫だと思う。
 満がついてるし。
 話あるんだけど今いい?」

そういうと建斗は黙った。

今私は建斗のところにいる。


今日はっきりさせるから。

2人ともごめんね...

私の特別な人は...


「聖ちゃんなんだ。
 私の好きな人は聖ちゃんなの。
 今まで建斗のこと利用しててごめんなさい!」

建斗は何も言わなかった。

しばらく沈黙が続く。

それを先に破ったのは建斗だった。


「本当は分かってた。
 井垣がスキだってことも利用されてるってことも。
 でも俺それでいいって言ったしそれでも一緒に居たかったから。
 俺こそ苦しめてごめんな。」

違う...

悪いのは全部私なの。

建斗は謝る必要なんてないの。


言いたいことは沢山あったのに声が出なくて...

首を横に振ることしかできなかった。


「もう井垣のところ行け。」

そう言って私の背中を押してくれた。


「ありがとね建斗...」

最後に私はそう言って保健室に歩き出した。