「訳わかんないよ・・・」 聖ちゃんが教室を出て行ってから何回この言葉を言っただろう。 満が待ってるとか授業とか。 そんなこと少しも考えられなかった。 聖ちゃんが教室にいたことが嬉しかった。 前みたいに『泉ちゃん』って呼んでくれたことが嬉しかった。 でもあの『覚えてない』って言ったときの顔が忘れられない。 前の聖ちゃんの顔も『泉ちゃん』って呼んでくれたときの顔も思い出せなくなって。 今はあの苦しそうな顔しか浮かばない・・・・・・