「・・・戻ってきたね。」






「10年ぶり・・・かな。」






黒い髪をポニーテールで結び、肩を並べて歩道橋から街を見下ろす二人の少女。






彼女たちを風が優しく包み込む。






「茉奈、大丈夫?」






一人の女の子が聞くと、もう一人の女の子が手を握った。






「大丈夫だよ、香奈。私達二人いれば、もう、何も怖くない。」