でも…
こんなにスキになってしまったのに、
別れるなんて嫌なんだ。




こんなあたしに微笑んでくれて…
頭を優しく撫でてくれる比呂くんを失うなんて出来ない。





「麻帆ちゃんは木原くんがスキ?」
「…うん。大スキだよ」




今は昼休み。




比呂くん、健くん、リオとお弁当を食べてる時、
あたしだけ呼ばれた。





隣のクラスの武くんに。





「麻帆ちゃんさ、木原くんやめて…俺にしない?」
「…ぇ?」
「俺と付き合おう?」
「ごめんなさい…あたし比呂くん一途なの」




あたしはその場を逃げ出した。




武くんの顔を見たわけじゃない。
でもなんか…怖かったんだ。
睨まれてる気がしたんだ。






角を曲がった時、
誰かとぶつかり床へと倒れ込んだ。