真面目なあたしは悪MANに恋をする

「あれって…怒ってますか?」

あたしが透理さんに聞いてみる

「うーん、よくわかんない」

透理さんはさほど、気にもせずアイスコーヒーを飲み始めた

「怒ってるだろ!」

ケンケンが突っ込みを入れる

「確実に、怒ってるよね」

マサ君も頷いた

「…あ、でもハナちゃんには怒ってないと思うよ。勝手にハナちゃんを呼び出して、話をしている俺らに怒ってるだけ…てか、怒り爆発中?…ぶわぁ」

ケンケンの顔面に、片岡君の黒のショルダー鞄がヒットした

ええ? 痛そうだよっ

あたしは店のドアのほうに視線を向けると、まだ入ってきたばかりの片岡君を見つめた

…て、片岡君、コントロール、良すぎだよ!

どこから投げたの?

何メールも離れてるのに

「さすがだねえ」

透理さんがニコニコと笑って、拍手をする