「彼氏が一緒なら、平気でしょ？」

ヨウコ先生が、あたしの耳元で囁いた

「あ……」

ヨウコ先生がウインクをすると、次の飲み屋を目指して歩き始めた

「葉南、好きだよ」

片岡君が、あたしの手を握ってきた

みんなに聞こえるってば！

あたしは顔を真っ赤にすると、下を向いて歩いた

「いやあ、葉南先生に年下の彼がいたなんてねえ。驚き！」

ケイコ先生が、鞄をぶんぶんと振りまわした

「もう３年も付き合ってるんすよ」

ケンケンが、ケイコ先生に話し始める

次の飲み屋で、きっと片岡君との恋愛話をたくさん聞かれるんだろうなあ

あたしはゆっくりと顔をあげると、片岡君がにこっと笑う

あたしの前を歩いてるケンケンは、聞かれてもいないのにあたしと片岡君の馴れ初めを面白おかしく話している

マサ君は、携帯をいじりながらどこかにメールを送っている

相手は茉莉かな？

あとであたしも茉莉に、謝りのメールを送っておこうっと