片岡家の居間は、本日も大賑わい?

「最近の茉莉、我儘過ぎ! クリスマスプレゼントだからって、高い物を欲しがりすぎだよね!」
「どこが? おそろいのネックレスが欲しいって言っただけじゃない」

一組目、マサと茉莉がクリスマスプレゼントで大げんか中

「あー、よしよし。泣くなよぉ。理菜はいい子だろぉ。今、ミルク作るからぁ」

二組目、透理が娘・理菜のお世話でてんてこ舞い中

「リンちゃぁん、撮影の調子はどう? 怪我はしてない?」

三組目、ケンケンは撮影で家を空けている彼女に定時連絡の長電話

「よくこんな賑わってるところで勉強ができるねえ」

葉南が僕の横にコーヒーを置きながら、好奇な目で僕を見てきた

「慣れ…かな? 毎日、なんだかんだってうるさいし。静かなときが逆に怖いよ」

僕は苦笑すると、葉南が居間で騒いでいる三組の人間たちを眺めた

「片岡君ってすごいねえ」

葉南が僕の隣に座って口を開くなり、居間がぴたっと静かになった

「葉南ってまだ、『片岡君』って呼んでるの?」

茉莉が驚いた顔を質問してくる

「え? あ、うん」

葉南がこくんとうなずく

「彼氏だよね?」

マサも驚いた顔をして、僕に聞いてくる

「付き合ってるよ」

僕が答えると、ごとんとケンの携帯が床に落ちた

「え? 何? 駄目?」

葉南が驚いて、目を大きく開いた