真面目なあたしは悪MANに恋をする

「ごめんなさい」

『いいってば。ほんとにあいつらと変わらないって』

ケンがけらけらと笑っている

「違うよ。だって、ケンは守ってくれたんでしょ? ごめんなさい」

『ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよ。今日の奴らは青族って言って、俺らと張り合って奴らだし、まあ…ね! ほら、顔を合わせりゃ喧嘩になるっていうか…』

「ケン、ご褒美……いる?」

『え?』

「女の私から言うのは、失礼なのかもしれないけど…ケンに会いたいよ。ケンに抱かれたいよ」

『あ…えっと……いいの? だって俺』

「いいよ。都合のよいときに」

『行く。今すぐに行くから』

「ええ? だって今、友達とカラオケにいるんじゃあ…」

『いいの、いいの。いつものことだし、15分もあれば、リンのとこに行けるから』

ぶちっと電話が切れた

え? ええ?

すぐ来るつもりでいるの?

ちょっと待ってよ!

会いたいって言ったのは私だけど、そんな急に来られても困るっていうか

準備ができないっていうか

ど、どしよう

えっとシャワーを浴びて…ってそんな時間ないし、困ったな

私は携帯を枕の上に置くと、寝室内をうろうろと歩き回った