鈴菜がこくんと頷いた

俺は困ったように肩をすくめると、鈴菜の顔を見た

「なんか想像できないよ」

「よく言われる」

真面目そうに見られるから、俺って

真面目が嫌だとか、そういうわけじゃないけどね

不真面目だとも思わないけど…捻くれてる部分はある

本心を読まれるのが嫌いだし、俺をわかったような発言をされるのも嫌いだ

だからって「族っぽいよね」って言われたいってわけじゃないけどさ

「透理君、きっと格好良いんだろうなあ」

鈴菜がにっこりと笑った

「え?」

鈴菜の意外な反応に、俺は声をあげた

嫌がられるかと思ってた

引かれると思ってたのに、『格好良い』なんて予想外の言葉だよ

「今度、ツナギを着て走ってる姿、見せてね」

鈴菜が俺の手に、自分の手を乗せてきた

「あ…うん」

拍子ぬけした俺は、目を大きく開けてこくんと頷いた