俺は熟女のいるマンションを後にすると、人通りのある夜道を歩いた

あ…そっか

今日か、ハナちゃんとチョーの再会日って

大学の授業料を稼がないとだから、俺、見に行くのを断ったんだぁ

あの二人なら、きっとうまくいくよ

失敗する理由がないもんねえ

愛し合ってるから

羨ましいとは思うけど、俺にはない感情であり、俺の中には存在しない世界だよ

大学に通うには、もうちょっと稼がないとなのに、さっきの人とは縁を切ったから

困ったなあ

本当に困った

大学の毎月の授業料って、結構するんだよねえ

授業によって、買わされる教科書とか資料本とかあって、面倒くさい

講師によっては、自分が書いてる本を買わせてきたりするしさ

迷惑な話だよねえ

お金のない俺にとったら、拷問のようだよお

日々、温かくなりつつある5月の夜道を俺は、歩く

ちょっと、小腹が減ったなぁ

コンビニでちょっとパンでも買おうかな

俺は、目についたコンビニに入ろうと足を動かした

『お前、それでも女かよ!』

耳をつんざくような大声に、俺は振り返る

五月蠅いなあ

小さな個人経営をしているクラブの前に男女が立っていた

そのうちの男が、酔っぱらって大きな声をあげたようだ