真面目なあたしは悪MANに恋をする

「ほらねえ。だから言えないんだよねえ」

萌香がにこにこしながら、茉莉に向って口を開いた

ふうん、茉莉にいちいち報告してたわけね

女ってどうして、いちいち他人にそういう話しができるんだろうねえ

俺には、いくら友人だからって恋愛の進み具合とか…想い人の話とかしないけどなあ

まあ…男と女って、脳のつくりから違うっていうからねえ

「地図の読めない女と話の聞かない男」っていうような本も出版されてたよね?

過去にさ

男と女は考え方、ものの見方が根本的に違うんだろうねえ

「マサ君ってうちらと同年代なのにさあ、なんか違うんだよね。しっかりしてるっていうか。だからさ、魅力的なのに…全然、なびいてくれないんだよ」

本人を目の前にして言う言葉かな、それってさ

萌香は、茉莉に困った顔をしながら相談をしているようだ

俺を前にして言ったら、この状況が変化するとでも思っているのだろうか?

そんなに想ってるなら、付き合うよ…とでも俺が言うと?

言わないよね

俺、そういうヤツじゃないし

嫌なものは嫌だし、義理で付き合うなんてあり得ない

「それってさ。俺の前にして話すこと?」

俺はテーブルに肘をつくと、萌香に聞いた

「え? だって、目の前ではっきり言わないと気づいてくれないと思って」

「なら、俺に直接言えばいいんじゃない?」

「まあ…そうだけど」

萌香が下を向いた