真面目なあたしは悪MANに恋をする

3時10分に俺は30分の休憩を挟んだ

裏で買った牛乳パックを片手に、約束通りにフードコートに行くと萌香たちがすでに座って待っていた

あれ?

俺は2人から3人に増えているのに、気がついた

見覚えのある首筋だ

今朝、俺が男除けのキスマークをつけた首だよね

なんでここに茉莉がいるんだろうか?

俺は、テーブルに近づくと、茉莉の隣に座った

「先生、この人がいつも言っている人ですよ!」

萌香が元気な声で、俺の顔を見てきた

は? いつも言っている人って?

俺は不思議に思いながらも、茉莉の顔を見た

「は…初めまして。塾の講師をしてます宮川です」

茉莉がぺこっと頭をさげた

俺に初対面のフリをしろと?

なんで? 俺らが知り合い同士って隠さなくちゃいけないの?

「初めまして。マサです」

俺は茉莉に合わせて、お辞儀をした

「…て、いつも言ってる人って何?」

俺は、萌香に視線を移動した

「え? だから萌香の好きな人ってこと」

「なに、それ? 俺、知らないけど」

「だって、言ってないしぃ。告ったら、もう店に来んなとか言いそうじゃん?」

「言うよね。確実に」

俺はふっと笑うと、牛乳パックにストローを差し込んで一気飲みした