真面目なあたしは悪MANに恋をする

「塾の意味ないじゃん」

「まあまあ、いいじゃん。通ってれば、親は安心するしさあ」

律子が、長い髪をかきあげた

ずるいよね

学校に行きたい俺が通えなくて、バイト三昧の毎日を過ごしているっていうのに…

適当に毎日を過ごしている彼女らは、高校にも塾にも通えてる

「でさ、マサ君とカラオケに行きたいんだけどぉ」

萌香が、俺の腕に絡みついてきた

「駄目だってば。仕事中なの」

「えー、じゃあ、空いてる日は?」

「空いてる日なんてないよ。毎日バイトを入れてるし、ここ以外にもバイトしてるから」

「ずるいなあ。そうやってうまぁく誤魔化してさ」

萌香が俺の傷跡を指先になぞる

ぞわぞわっと寒気が、俺の体に走った

やめてよね

そういうことをしていいのは、茉莉だけなんだけど

「うちら、まだ一回しかカラオケに行ってないよ?」

「一回だけで十分でしょ。俺は毎日忙しいの。君らも、きちんと勉強しなって」

「えー、マサ君は学校行ってないじゃん」

「お金があれば、通ってるよ」

萌香が、俺に食いついてくる

相当、カラオケに行きたいんだろうねえ

あまりにもしつこいから、一回だけっていう条件付きで、カラオケに付き合ってあげたのに

全然、わかってないよね

こういうのって面倒くさくって、イライラしてくる