マサとむかい合ったまま、沈黙が続いた

寝たいのに…眠れない

マサの怒りのオーラがひしひしと伝わってきて、「眠いんだけど」って言葉がのどに引っ掛かって出てこなかった

「別に俺ら、付き合ってるわけじゃないし…いいんだけどさ」

ぼそっとマサが呟いた

え? 私たちって付き合ってなかったの?

『俺の隣じゃダメ?』って告白じゃなかったの?

『俺、茉莉を中心に世界が回ってる』って、私が好きっていう意味じゃなかったの?

マサのあの言葉は、何だったの?

「あ…そう。なら、私がどうしようと勝手だよね?」

私の言葉に、マサの顔がさらにふくれっ面になった

意味がわからない

なんで付き合ってるわけじゃないって言っておいて、そんなに苛々してるの?

私にどうしろって言うのよ

「なんで最初に合コンって言ってくれないのかな?」

マサが低い声で問いかける

「最初は合コンじゃなかったから!」

「じゃあ、なんで帰ってこなかったの?」

「そういう流れになったから」

「どういう流れ?」

「バイト先の人の男友達と会うっていう流れ」

「なんでそこで、『帰る』って言わないの?」

「言えない雰囲気だったから」

「どうして?」

「どうしてもっ!」

マサが口をへの字に曲げると、鼻から息を噴射した