真面目なあたしは悪MANに恋をする

あたしと片岡君は目を会わせると、くすくすと肩を揺らして笑いあった

ありがとう…ケンケン

ありがとう…マサ君

ありがとう…透理さん

ありがとう…茉莉

みんなが居てくれたから、今のあたしがある

みんなが居てくれたから、片岡君と一緒になれた

想いが通じ合った

ありがとう…みんな!

あたし、すごく幸せだよ

「本当に走りに行くみたい。家に帰ったら、メールするから」

路駐したバイクに乗りに行ったケンケンとマサ君を見送ってから、片岡君があたしに言ってきた

あたしはこくんと頷くと、片岡君に笑顔を見せた

「遅くならないようにしてね。学校、あるんでしょ?」

「まあね。明日は一緒に登校したいな」

「もちろん。片岡君が寝坊しなければ、ね」

「頑張るよ。葉南さんが、朝、電話してくれたらうれしいな」

片岡君はにこっとほほ笑むと、あたしの額にキスをした

「じゃあ、明日ね」

「うん」

あたしはバイクに跨る片岡君に頷いた

明日…会える

その事実があたしには凄く嬉しかった

明日も、明後日も…ずっと会えるんだ

片岡君に会える…触れられる

そう考えるだけで、あたしの顔は自然と笑みになった