真面目なあたしは悪MANに恋をする

「よぉーし! ひとっ走り、行きますかあ!」

ケンケンが明るい声で言うと、片手をぐんと上に突き上げた

「嫌だよね。ケンは走り出すと、止まらないんだからさあ」

「そう言わずに、付き合ってよぉ。俺一人で走ってもつまらないだろぉ…てことで、チョーも俺についてきてくださいよぉ」

「逆だよね! チョーの走りに、ケンがついてくるんでしょうが」

マサ君が、ぴょんととび跳ねてケンケンの後頭部を叩いた

「いてっ。マサはホントに暴力的だよなあ。俺の身体が可哀想だよ」

ケンケンが、叩かれた頭を撫でながら呟いた

「ケンは頑丈だから、少しくらい痛い目にあったほうがいいんだよ」

片岡君がくすくすと笑って、口にする

「ひっでぇ。俺だってね…か弱い男子ですから!」

「意味がわからないよね」

ケンケンの言葉に、マサ君が足をあげて、ケンケンのお尻を蹴り飛ばす

「透理に告げ口してやる!」

「言えば?」

「なんか…すんげえ、むかつくぅ!」

ケンケンがその場で、ジタバタと足踏みをして暴れた