真面目なあたしは悪MANに恋をする

マサ君と茉莉…うまくいってるんだあ

「生活が噛み合ってないのに、よく1か月も続くよなあ。お前ら…さ。ちゃんと会えてんの?」

ケンケンが首を捻った

「俺はケンとは違うから。好きな人とはいつもべったりぃ…ってわけじゃなくても平気なんだよね」

「冷たい男。すぅぐ、茉莉ちゃんに愛想をつかれちゃっても知らないよーだ」

ケンケンが楽しそうに口にする

マサ君はむすっとして腕を組むと、ケンケンの足を勢いよく踏みつけた

「いっ…てぇ!」

ケンケンが片足をあげて、ぴょんぴょんととび跳ねた

「うるさいんだよねっ! 人の恋愛をどうのこうの言う前に、まずは自分の心の傷を癒せって言いたいよね」

マサ君は、『ふん』と鼻から息を噴射すると、ぷいっと横を向いた

「茉莉と喧嘩中らしいよ」

片岡君が小さい声で、あたしに教えてくれた

「そこっ! 聞こえてるよ。茉莉が合コンに行ったからって、怒ってるわけじゃないんだよね」

「茉莉、合コンに行ったんだぁ…」

あたしがにやっと笑って、マサ君の顔を見る

マサ君ははっと表情を変えると、あたしたちに背を向けて立った

「別に、茉莉とは付き合ってるわけじゃないしね。俺が文句を言える立場じゃないし…いちいちうるさいんだよね」

マサ君は、ぶつぶつと小さな声で呟いた