真面目なあたしは悪MANに恋をする

『いや、寝がえりをうったら、そのまま落ちただけ』

片岡君の苦笑した顔を思い出しながら、声を脳内で蘇った

お父さんって、片岡君みたい

お母さんに腰をさすってもらっているお父さんが、恥ずかしそうに喉を鳴らした

「葉南は…もう寝るといいぞ」

お父さんが、手を振りながらあたしに声をかけてきた

「うん。寝る。おやすみなさい」

「ああ。明日はどうするんだ? 泊るのか?」

「え?」

お母さんと同じ質問なんだけど…

「さっき、聞きましたよ」

お母さんが、お父さんの背中を叩いた

「あ? そうなの? じゃあ、泊るなら早めに連絡するんだぞ」

「それも言いました」

「あ…あれ? そうなのか」

お父さんがさびしそうな顔をした

「ちゃんと連絡するよ」

「帰って来ても困るしなあ」

お父さんがぼそっと呟いた

「え?」

「だって1か月ぶりなんだろ? 片岡君が葉南と一緒に居たいだろ」

それ…お母さんも言ってた

夫婦なんだなあ、お母さんとお父さんって

同じ言葉を言っちゃうくらい、長い付き合いなんだね