真面目なあたしは悪MANに恋をする

お父さんはあたしの肩をぽんぽんと叩くと、部屋を出ていった

あたしは携帯を握りしめると、ベッドに横になった

この1か月、片岡君は何もしてなかったわけじゃなかったんだ

ただあたしに考える時間を与えて、答えを出るのを待っていたのかと思ってた

お母さんにわかってもらえるように、長い時間、戦えるのかどうか

お母さんと離れても、後悔しないかどうか…ただあたしに考えさせるために時間をくれただけかと思ってた

違ったんだね

片岡君も、片岡君なりに考えて動いてくれてた

あたしの家族は、あたしが解決しろ…って突き放すのではなくて、片岡君なりに理解してもらおうと頑張ってくれてたんだ

ダメだなあ…あたしって

もっと前を見て、生きなくちゃ!

これじゃあ、片岡君に飽きられちゃうじゃない

片岡君みたいに、ポジティブにならなくちゃ

1か月、片岡君に会えないって思っただけで、この先真っ暗…みたいな考え方は良くなかったね

毎日、片岡君の背中を見て、ため息ばかり零してた

もう会えないんじゃないかって不安になって、悲しくなってた

「あたしも頑張らなくちゃ」

片岡君を信じて、お母さんと話をするべきなんだ