真面目なあたしは悪MANに恋をする

マサは椅子から立ち上がると、茉莉の隣に立った

「ね…ほら。茉莉より高いでしょ? ヒールを履いてても、俺のほうが少し高い。この前まで、ヒールを履かれたら、俺のほうが小さかったんだから」

マサがにこっと笑った

「ヒールの高さによるだろ」

僕が茉莉のブーツに目を落とした

確かに…大きくなったな

マサはもっと大きくなるんだろうなあ

茉莉と並んでも、恥ずかしくない男になるんだろうな

「ま、身長の高低さで男の優劣を決めて欲しくないけどね」

マサがさっきとは違う椅子に座った

葉南さんのために横を開けてくれたのだろう

「あれ? 座らないの?」

マサが、葉南さんと茉莉を見て口を開く

「だって…ケンケンは?」

葉南さんの言葉に、茉莉の肩がびくっとなった

「言ったろ。ケンケンはもう落ち着いたって。バイクでも買いに行ったんじゃないか?」

俺の言葉に、葉南さんが明るい顔になっていくのがわかった

「なんか次は、カラフルなバイクが欲しいって言ってたよね。遠くから見ても、『俺のだ』ってわかるようなのがいいって。前のもそれなりに派手だったけどさ」

マサの話しを聞きながら、葉南さんが僕の隣に座った

茉莉も、マサの隣に空いている椅子に腰をおろした