片岡君は、椅子から離れるとあたしの手を握り締めた
あたしはぎゅっと片岡君の肩を抱きしめる
片岡君は床に膝をついて、あたしに抱きつくと背中に手をまわした
あたしの胸の中に片岡君がいる
ずずっと鼻をすする音がすると、片岡君の口が動いた
「小学、中学と、僕はずっといじめられてた。母は、ある大企業の社長の愛人で、本妻に隠れて僕を産んだ。母子家庭で、母は父のことを一切口にしなかった。父と本妻との間に子はなくて、僕の教育費やら生活費やらずっと面倒を見てくれてた。僕はずっと父の存在を知らなかった。でも周りは、愛人の子だと知っていた。だから僕をそれをネタにいじめた。でも中2で事情がかわった。父が離婚し、母が本妻になった。僕のバックに父がついた。今まで虐めてきた奴らは僕を仲間に引き入れて、他のターゲットを見つけた。僕を支えててくれた友人が今度は、虐められる番になった。虐められる恐怖から、僕は友人を追い詰めた。友人を孤立させてしまった。ずっと苦しかった。殴りたくないのに、友人を殴る自分が嫌だった。今まで守ってくれてた友人を裏切った己が憎かった。こんな思いをするくらいなら…と、僕は決意したんだ。虐めグループから抜けて、友人を守ろうって。でもそう決めた日の朝、友人は僕の目の前で死んでいった」
え?
目の前で…?
抱きしめている片岡君の肩が震えていた
「朝礼の前に決まって、友人を屋上で暴行する。そのとき、僕は友人の前に立って、初めて抵抗した。虐めグループと大喧嘩になって、まわりが見えなくなってた。僕は足を踏み外して、屋上から落ちそうになったんだ。それをかばってくれたのが、友人で…僕も慌てて友人の手を掴んで、屋上にぶらさがる友人を助けようとした」
一端、言葉を区切った片岡君が、大きく深呼吸をした
「助けられなかった。あいつ…胸ポケットに入ってるペンを出して、俺の手に刺したんだ。『気にするな』って微笑んで、落ちていった」
あたしの背中にまわしていた右手をあたしに見せてきた
手の甲に、うっすらと残る傷あとがあった
これが…ペンが刺さった痕?
あたしはぎゅっと片岡君の肩を抱きしめる
片岡君は床に膝をついて、あたしに抱きつくと背中に手をまわした
あたしの胸の中に片岡君がいる
ずずっと鼻をすする音がすると、片岡君の口が動いた
「小学、中学と、僕はずっといじめられてた。母は、ある大企業の社長の愛人で、本妻に隠れて僕を産んだ。母子家庭で、母は父のことを一切口にしなかった。父と本妻との間に子はなくて、僕の教育費やら生活費やらずっと面倒を見てくれてた。僕はずっと父の存在を知らなかった。でも周りは、愛人の子だと知っていた。だから僕をそれをネタにいじめた。でも中2で事情がかわった。父が離婚し、母が本妻になった。僕のバックに父がついた。今まで虐めてきた奴らは僕を仲間に引き入れて、他のターゲットを見つけた。僕を支えててくれた友人が今度は、虐められる番になった。虐められる恐怖から、僕は友人を追い詰めた。友人を孤立させてしまった。ずっと苦しかった。殴りたくないのに、友人を殴る自分が嫌だった。今まで守ってくれてた友人を裏切った己が憎かった。こんな思いをするくらいなら…と、僕は決意したんだ。虐めグループから抜けて、友人を守ろうって。でもそう決めた日の朝、友人は僕の目の前で死んでいった」
え?
目の前で…?
抱きしめている片岡君の肩が震えていた
「朝礼の前に決まって、友人を屋上で暴行する。そのとき、僕は友人の前に立って、初めて抵抗した。虐めグループと大喧嘩になって、まわりが見えなくなってた。僕は足を踏み外して、屋上から落ちそうになったんだ。それをかばってくれたのが、友人で…僕も慌てて友人の手を掴んで、屋上にぶらさがる友人を助けようとした」
一端、言葉を区切った片岡君が、大きく深呼吸をした
「助けられなかった。あいつ…胸ポケットに入ってるペンを出して、俺の手に刺したんだ。『気にするな』って微笑んで、落ちていった」
あたしの背中にまわしていた右手をあたしに見せてきた
手の甲に、うっすらと残る傷あとがあった
これが…ペンが刺さった痕?

