「さて、着いたぞ」



柳瀬さんは、こないだ教えた通りの遠回りな道順を回って家に送り届けてくれた。


あはは。何だか謝りたくなる…。



あの時は多分、大和がタクシーとかで家に着く場面を見せない為に

時間を稼いだんだと思うんだけど…



そんなのは今は必要ないわけで。


何も知らず、手間をかけさせられてる柳瀬さんは可哀そうだ。



「スミマセン、送ってもらっちゃって」


間に『遠回りで』を付け加えるべきだろうな、うん。



「いーえ。俺ドライブとか好きだし。


と…隣にお前が居ればもっと楽しいしな…」



流石に照れたご様子。



大和ならサラっと言うようなセリフも、彼にとってはこっぱずかしいのだろう。




「じゃー、帰ります」



取り合えずスルーしてドアを開けた。



「明日までに直してこいよー。綾ちゃんも心配してたから後で連絡してやれよ。


じゃ、ばぁ~い」




ブーン……





最後まで陽気な人だ。