そこには顔を真っ赤にした柳瀬さんが、全身を細かく震わせて立っていた。
「…そんな事言われたら
俺が見られたくなかったと思ってた って捉えるだろ!!」
「……? 違うんですか?
サボテンに一個一個名前つけて鼻歌歌いながらスキップしてきて、
おまけに赤ちゃん言葉…」
「あ゛ぁ゛ぁ゛ーーーー!!!!もう!良いからッ!
~~~~~ッ!!
そうだよ!見られたくなかったけど、けど…
お前になら別に隠す事でもないかなッて思ったんだぞ。
…花ってさ、何か喋りかけたり音楽聞かせてやったりするだけで、綺麗な花が咲くんだ。
小さい頃、母親がそうしていたのを覚えてる。
そしてその咲いた花の事も。……綺麗だったなー。
まぁ?話しかけるだけで綺麗な花が咲くかって言ったらそうとも言い切れないけどなー。
実際、母さんは栄養分の入った液体を使ってたからそのせいだろうけど。
…でも…それでも、なんだかこうして話しかけてると 母さんに会えるような気がするんだ……。
そんな事 無理だってわかり切ってはいるんだけど」
変だろ
そう彼は小さく笑った。


