*SWEET LESSON*





なんだか、お天気みたいな人。



ヘラヘラと笑っていたと思えば、怒りが頂点に達したときなんかは形相がガラッと変わるし。


今みたいに照れてみたり、拗ねてみたり。



山の天気みたいにころころと表情を変える彼が、なんだか可笑しく思えた。



今だって、前のキスの時の気まずさはない。



断るという事はもう決まっているのだけれど、もしそれを言った後でも


彼とあたしの距離は離れないだろう。




着かず離れず。



今の、同僚よりも親しくて 恋人よりは距離がある



友達 と言う関係が一番心地いいんだ。




ソレを思って、車が去って行った方向を眺めながら含み笑いをしていると




「そんなに告白されて嬉しい?」




いつもの如く、耳元で囁かれる。



だが その声はいつにもましてダークで。



愛しいその人なのだけれど、この後のお仕置きが怖くて振り向くのが怖かった。



「大和、いつからそこに?」



勇気を振り絞って振り向いてみると、制服を着崩して、スクールバックをリュックのように背負っている大和がいた。




うーん。ちょっぴり不良な大和もなかなか…


って。



そんな事考えてる場合じゃない。



殿はご立腹してらっしゃるのだ!!!