唇を噛み締めながら彼を想った。 その時だった。 一台の車が爆音と共に、猛スピードで駐車場に入って来る。 「あれは……!」 安本さんがそう呟いた時、白い車があたし達の目の前に止まった。 身体中に響くマフラー音。 横から見る限りで 窓はフルスモークに見える。 車高は地面すれすれで、車体とホイールが妙に輝いていた。 誰? そう思うのと、運転席のドアが開くのは同時だった気がする。 「!!!!」 現れたのは そこに居たのは 「柳瀬…くん」 声を発したのはあたしじゃない。安本さんだ。