汚らわしい!
触らないで!
その言葉が頭を支配する。 振りほどこうと必死でもがくのに、やっぱり大人の男の人にはかなわない。
「止めてくださ…い!!!」
何で? 何でよりによってこんな時に誰も居ないの?
誰か助けてよ…
こんな事なら柳瀬さんの言う事を素直に受け止めていればよかった。
こんな事なら…
大和に相談するんだった…
ごめん、大和… 何も言わなくて。
重大な事なのに 相談すらしないなんて…
そんな事今思っても それは後の祭りで。
涙を流しながらホテルの入り口に引きずられるあたしはもう、逃げる事すら諦めていた。
大和ぉ…
あたし、汚されちゃうよ……


