「長谷先生はもういいや。生徒も来た事だし、邪魔。要済み」
「ちょ…!!勝手に連れて来て仕事押しつけた割に偉そうな口叩きますね!良いです!二度と手伝いませんから!にーどーと!!」
ふんっ
柳瀬先生が何か言う前に、あたしは保健室を出た。
そのままズンズンと歩く。
何さ 何さッ!!
そんなにあたしの振りまわして楽しいか?
良いもん!安本センセーとお茶楽しんでやるんだからッッッ!!
―――――――――――
「えーっと、あのぅ…ここって喫茶店…なんですか…?」
……約束通り 仕事を終えたあたしは安本先生の車に乗り、
ニコニコと嬉しそうにする彼の表情を見ながら『良い噂を聞かないだなんて。やっぱりあいつの勘違いじゃん』なんて悠長に構えていた。
喫茶店は駅前にある と聞かされていたのに、どんどん怪しげな通りへと車を進める安本先生。
それでも『駐車場がないのかな』とか『道に迷ったのかな』とか
楽観的な考えしか持たなかったんだけれど。
やっとそれが間違いだったと気付いたのは 妙に薄暗い駐車場の、プラスチックでできたのれんを車で通り過ぎた
その時だった。


