「関係ないって…?俺が?
言ったろ、お前が好きだって。それをなかった事にしようとするなんて、酷い奴だな」
「それは…!」
あんな、少ししか話していない上に酔っ払っていた時の言葉だよ?
信じろってのが無理だ。
彼から逃げていたのは、きっと大和に対する罪悪感からだ。
不意を突かれたとはいえ、あんなことをされた男の人と顔を合わせるのが
あたしを大好きだと言ってくれている大和への裏切りに感じていたから。
「まぁそれは良いとして。
安本さんは良い噂を聞かない。あんまり安易に近づかない方が…ぶっ!!!」
柳瀬先生の言葉はそこで途切れた。
なんか、今。あたしの横を白い物体が通り過ぎた様な…
「すみませーん。手元、狂っちゃいましたー♪ハエがうろちょろしてたから狙ったんですけどね」
この声……!!!
背中から怒りのオーラさえ感じられる。
まさか。 まさかとは思うけど…
ゆっくりと振り返ったあたしの目には
その”まさか”の光景が入ってきた。
「や…!!」
『大和』
そう言い切る前に無理やり声を止める。


