「前にも言ったと思うけど
あたしには大和は勿体なさすぎると思ってた。
だって、そうでしょ?
若くて、将来有望で
性別問わずモテまくる彼氏がいたら、そう思ってしまうのは仕方ない事だよね。
でもね、そこで劣等感を抱いたら
愛してると言ってくれる大和の気持ちを台無しにしてるんじゃないかって気付いた。
気付く事が出来たの。
卑屈になるのはもう終わりにしたい。
だから
あたし、学校辞める」
「え…ちょっと、話が飛躍しすぎてて付いていけないんだけど…」
戸惑う彼に、微笑んだ。
でもね、あたし、もう隠したくないんだ。
先生と生徒という立場が行く手を阻んでいるのなら
打破できない壁なら
回り込んで突破すればいい。そうでしょう?
「先生である事はあたしの夢だったけど
それ以上に、大和と一緒に居る事の方が大事なの。
…何度も困難を乗り越えてきたでしょう?だからあたし…」
「ダメだ」
え…?ダメって…?
反対って事…?
「それって、一緒に居たくないって事…」
「違う!!」
俯いた彼。
顔が見えなくて何だか不安になる。
ねぇ、あたし どうすればいいの…?


