そっと彼の手を握り、一番伝えたかった事を。
「大丈夫。
あたしはどこにも行かない。
信じて…」
“愛してる”
冷たくなった唇に、触れるだけのキスを落とす。
いつだってあたしは大和に夢中なんだ。
その子どもっぽさも、あたしのことで一喜一憂してくれる姿も
ちょっと鬼畜で俺様な所も、愛してると囁いてくれるその唇も
髪を優しく撫でてくれる長い指先も、ちょっとくせっ毛交じりの黒髪も
みんなみんなあたしの物。
みんなみんな、
掛け替えのない彼の物。
全てを共有して生きて行きたい。
だから、今度はあたしが話す番。
知っていて欲しいんだ。
精一杯の言葉で話すから。


