イルミネーションが見える窓辺に行こう。


そう言われた。



会場は凄い人だかりだったから、はぐれない様にと手を握られる。


大きくてあったかい手。


…大きいけれど女性の様に細くて冷たい大和のそれとは違う。

「大丈夫?」


心配そうに、何度もそうやって確認してくるカナト。


…『早く歩けよ』


強引に、傲慢に。

アイツならきっと、そうやって一人で歩いて行くんだろう。


大和なら、こんなトコ抜け出して 二人っきりになろう
って…


大和なら…


大和なら…





「さなぁぁぁぁあ!!!」


「え¨!?」


ほいぃぃぃぃん……


突然の大音量とハウリングのせいで耳が割れそうに痛いッ!!!

でも、気づいてしまった。


あの声は 大和だ…!!



…思った通り、ステージの上でマイクスタンドを袖の方にぶん投げてる彼を見つけてしまった!!

キミ、どこのアーティストですかー!?