「じゃあ、また後で」
職員室に着き、それぞれの席に着く。
すると…
「なっがたにさーん」
低い声で しかも耳元で!誰がこんな事…
「ゲッ!」
振り向いた先に居たのは
「や…柳瀬センセー…」
一番気まずい人がダークな微笑みを浮かべて立ってらっしゃった…
「ちょーっといいかな?」
誰が行くもんか!!
「私、仕事がありますので…」
何も見なかった事にして仕事を始めよう。うん、それがいい。
別に仕事なんて言い付けられてなかったけど、とりあえずパソコンを起動させる。
…が。
「良いから来い」
「ぐぅえッ!!」
襟を引っ張られて椅子から引きずり落とされる。
女の子に乱暴するなんて、こいつはなんて非道な男なんだッ!!!
床に座り込んだまま首を抑えるあたしを一見し、この悪魔は
「教頭。長谷先生に手伝っていただきたい仕事がありますので少々お借りしても宜しいですか?」
なんて、ひょうひょうと教頭に許可をもらっちゃって!!
逃げようとしたあたしの背中の服を掴んでそのまま引きずるように
拉致。
「いやぁぁぁあ!」
あたしの悲痛な叫び声は、事情を知らない先生方の笑い声に
小さく消えて行ったのだった。


