車を降りると、そこは…


「きっれ~~い!!!」


青と白のライトで統一されたイルミネーションが、キラキラとあたし達を出迎えてくれた。


「こらこらッ!あんまりはしゃぐとセットが乱れるわよッ」


…なんて言いつつ、自分だって目が輝いていますがッ


「あ、そうだ。中は電波入りにくいみたいだから、今のうちにケータイチェックしときなさいよ?」


薫ちゃんはそう言って、また大城さんの元に向かった。


えーと、ケーターイケータイ…


貸してもらったバックから、ストラップを掴んで引っ張り出す。


メール、4件…着信…0…


大和からの連絡を期待していた分、着信が無いのはちょっとショックだった。


「…げッ!!お母さんから3件も来てるッ」


すっかり家に連絡するのを忘れてた!!

中身はどこに居るんだとかチキン買ってきてとか、そんな内容ばかりで。


やはり大和については何も触れていなかった。


ため息を吐きつつ、メールを打つ。

“ごめん、急に薫ちゃんにパーティー誘われちゃって。何時に帰れるか分からないから。ホント、ゴメンねっ”


送信…と。



…まぁ、毎年家族で過ごしてるんだし。娘としては

たまには夫婦水入らずでどうぞ!!な感じですよ!!


自分もこっちの方が楽しみだから という考えは棚の上で。浮かれながら最後のメールを開いてみた。



「あ…」



大和だ…。



“どこに居る”


たった一行のメール。だけど、何だか怒りを感じる文章だ。


…何よ…。こっちが怒ってるって言うのに、何で大和にこんなメール送られなきゃなんないわけッ!?