…と、あたしの脳内でネガティブ方面の列車が発車しようとした時


「ばっかねぇぇ!!コレみんな、あたしがデザインした服よッ!」


って!!!


「コレ、みんな!?」



10畳位のスペースは、クローゼットのみならず

床、棚の上 更には壁紙が何色なのかも確認できない程に服が散らばっていた。


「そうよー。コンテストもあるからこんなに溢れ返っちゃってるのよ。

でも頑張ってるでしょう?」


「うん、凄い…」


呆けたあたしの顔を見て、満足そうに口角をあげた。



「さっ、どれでも好きなヤツ選んじゃって~!!さなになら何だって似合うでしょうッ!
 
サイズは詰めるだけなら直せるからね」



頼りがいのある薫ちゃんは、まさにグレートマザーみたいだな なんて思ってしまう。


夢を叶えて終わるんじゃなくって


そこから次の目標に向かってまた努力しなきゃな って思わせられたよ…



その辺はパーティー用に作ったものよ と言われた箱を開け、


丁寧にたたまれたドレスたちを手に取る。



その中で、あたしの興味を引いたものが一つだけ…




「コレ、素敵…」




その呟いた声を聞いて、上から覗き込むように服を確認する薫ちゃん。


「…あんた、凄いわ。ソレ

さなをイメージして作ったのよ?」



「えぇ!?あたしを!?」