人ごみの中へと消えて行く二人を見ながら呟く。


「時の流れって、早いなぁー」


「あら、オバサン発言?」


!!!!!


いつの間にか隣に立っていた薫ちゃん。


クリスマスだからか、いつも以上に気合の入った格好だ…

っていうかッ

「何故サンタのコスプレッ!!??」


真っ赤な生地に、ゴージャスなファーが縫い付けられててッ


何故か下はハーフパンツという暴挙!!


「良いじゃなぁ~い!ど?似合うッ!?」


…って聞かれましてもッ


ファーだけじゃ隠しきれてない肩幅と

ミニのパンツからのぞく太ももは、どう見ても男のソレで…ッ


「何と言うか…大胆な格好だね…」


「でっしょぉぉ??イヴだからねッ気合入れてナンパ待ちしなきゃッ」


何故ポジティブ。


「それよりッ!!急にどうしたの?呼び出しなんか…」



そう、あたしを呼びだしたのはこの逆セクハラのオカマで。


残っていた仕事を急いで切り上げてここに駆け付けたのだ。その理由って、まさか…


「その恰好を見せるためじゃないよねッ??」


「ばっかねぇぇ!!あんたに見せてどうすんのよッ!!

渡したいものがあるのよッ」


言いながらごそごそと、サンタが持つ袋をモチーフにしたらしいバッグを漁る薫ちゃん。



出てきたのは真っ赤な封筒で。


クリスマスっぽいリボンで可愛く飾りつけられている。