「とにかく、だ。そんなん一々聞くことねぇからな。

…今度別れたいとか言ったらそん時は…」



にやり



含ませるような笑い方をして、最後まで言わないまま去って行ってしまった。


何をされるんだろう…?


ある意味別れるより恐ろしいッ!!!



それにしても、伊集院さん、したたかなんだな…


ここまで来ると 悪気がないとは思えない。



個人情報もダダ漏れ。

脅しも出てきた。



権力を思うがままに使うお嬢様って、何だか怖いなー…。




「せーんーせっ♪」



「………」



ああ、朝のあいつか。


「伝えた?別れた?」


って、あたしの方へ歩きながらにこにこと…


他人の不幸ほど旨いものはない って顔してる。



「残念だけど、あたし達は伊集院さんの思うがままにはならない」



ピタリ。


歩みを止め、笑顔も消えた。


ふふん。驚いたかこの野郎ッ!!




「なぁんだ、バレてんだ」


つまんねーの


って。やっぱり楽しんでたなッ!!


「で?良いの?このままで。本当にバラしちゃうよ?」


「……さぁ?ってか、あんたは彼女のなんなのさ」



……あれ、真顔になった。触れられたくない話題なのかな…?



「どうでもいいだろ、そんな事」